お知らせ Information

2025 / 11 / 10
16:17

第1回サステナビリティレポートアワード表彰式を開催しました。

サステナビリティレポート・アワードについて

サステナビリティレポート・アワード」とは、大学や企業の環境報告書やサステイナビリティレポートを評価・表彰する制度です。

2020年度に環境省主催の「環境コミュニケーション大賞」が終了してから、大学の環境報告書を評価・表彰する制度はありませんでした。CAS-Netの会員大学からのそうした制度があるといいという声を受け、今年度、CAS-Net主催の形でスタートしました。

「環境情報開示の質の向上と社会的発信力の強化」、「優れた取り組みの見える化を通じた波及効果」、「学生の評価参加による、学生の実践的な学びの機会を創出」など、さまざまな目的を持って設計しました。

最も大きな特徴は、審査員が学生であるということです。審査方法としては、第一次審査をCAS-Netに加盟し、一定の基準をクリアした学生団体が行い、その結果を踏まえて、CAS-Net幹事会で表彰対象を決定しました。 

今回は4団体23名の学生が審査員として参加してくださり、すべての応募団体の報告書を読み、充実した評価書を作成してくれました。評価コメントはすべて応募団体にフィードバックします。貴重な若者世代の生の声が書かれていますので、大学にも企業にとっても大変参考になるものであると思います。

学生審査団体の紹介

岐阜大学環境サークルG-amet/京都大学環境サークルえこみっと/大阪公立大学環境マネジメント推進室/千葉大学環境ISO学生委員会

当日参加していた2団体から審査コメントもいただき、「学生審査員証書」を贈呈しました。

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表彰式

大賞

日本ハム株式会社「サステナビリティレポート2025

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審査講評)日本ハム株式会社のサステナビリティレポートは、「食」を軸に、研究開発・畜産・人材育成・地域貢献など、事業全体を通じて社会とのつながりを丁寧に描き出した点が高く評価されました。特に、「食べる喜び」という一貫したテーマのもと、社員が主体的に挑戦する企業文化や、未来に向けたロードマップを明確に示している点が印象的でした。多様な活動を統合し、未来志向のストーリーとして描いた本レポートは、まさに企業のサステナビリティ報告の模範といえる内容でした。

 

奨励賞

東海国立大学機構 「環境報告書2025

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審査講評)「東海国立大学機構 環境報告書2025」は、名古屋大学と岐阜大学それぞれの特色を生かしながら、機構全体としての取組を一体的にまとめた点が高く評価されました。教育・研究・地域連携の内容がわかりやすく整理され、写真や図表を効果的に使った構成は、多くの人に親しみやすいものとなっています。また、CO₂排出量などのデータを具体的に開示し、目標未達の要因まで丁寧に説明するなど、誠実で透明性の高い姿勢が印象的でした。さらに、学生のインタビューや表紙デザインの公募など、多様な主体を巻き込む工夫にも創意が感じられます。

 

奨励賞

国立大学法人 京都大学 「京都大学環境報告書2025

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審査講評)京都大学の「環境報告書2025」は、計画・実績・次年度目標を体系的にまとめた構成が非常にわかりやすく、誠実で実証的な報告姿勢が高く評価されました。また、体育会系の部活動や学内コンビニなど、大学内の多様な主体が環境活動に取り組む姿が紹介されており、大学全体で環境に向き合う姿勢が伝わります。データの網羅性や整理の丁寧さに加え、社会との連携も明確で、京都大学の規模と多様性を生かした報告書でした。

 

受賞された大学・企業の関係者の皆様、おめでとうございます!!

2025 / 11 / 10
15:52

サステイナブルキャンパス賞2025 受賞者の発表!!

CAS-Net JAPAN 2025年次大会 ~サステイナブルキャンパスがつなぐ知と実践~(11月7日(金)~11月8日(土)@北海道大学 札幌キャンパス)において、サステイナブルキャンパス賞の表彰式と受賞事例講演が行われました。

建築・設備部門

サステイナブルキャンパス賞

学校法人 立命館大学 

「立命館大学 大阪いばらきキャンパス H棟」

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審査講評)立命館大学大阪茨木キャンパスは、2015 年の竣工時点から地域・社会に開かれた新たな都市型キャンパスとして高い評価を受けてきた。その10 年後となる今年、デジタル技術とメデイア表現を活用する新学部の開設に伴って、新たな活動を支えるサスティナブルな教育研究環境を実現させている。具体的には、建物内部にパブリック空間および階段状の吹抜空間を形成して学生同士のコミュニケ―ション促進や、多様な人々との交流が期待できる共創拠点を生み出した。また、眺望と日射遮蔽、自然採光のベストバランス図った環境建築を具現化するとともに、リアルタイム環境計測と利用者数データにもとづく最適制御を導入して、最先端のエネルギー最小化技術の実装にも取り組んでいる。BELS 認証の取得に伴う1次エネルギー消費量44%削減(レベル5)、キャンパス全体のエネルギー最適化を実現する成果をあげていて、今後さらなる発展的展開が期待でき、サステイナブルキャンパス賞に相応しい取り組みである。

 

建築・設備部門

奨励賞

国立大学法人 千葉大学/株式会社 佐藤総合計画/丘の上事務所株式会社/株式会社dpランドスケープ/株式会社テクノ工営

「千葉大学 工学・情報学系講義棟」

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審査講評)1960年代に整備された並行配置の校舎群の間に、新講義棟を挿入して老朽化した校舎を再編する計画である。大学の講義室、ギャラリー、ホール、ラウンジ、通路を立体的・有機的につなぎ、各スペースや部屋・空間の連携を図って建物の魅力を創出している。ただ,建築の空間構成に加えて,テラスコモンズ・ホワイエコモンズ・エキシビジョンギャラリーなどの学生の居場所が,実際どのように活用されているか,その説明があれば一層の説得力があったと考えられる。環境配慮としては、建物屋根に降った雨水の流出経路をデザインするとともに、その雨どいを日射遮蔽ならびに外観デザインに活かしている点が評価できる。建物環境性能としてはZEB Readyを達成しており、国立大学系の施設ながら、完成度の高い建物として仕上げられている。

 

大学運営・地域連携部門

サステイナブルキャンパス賞

国立大学法人 北海道大学

「北海道大学GHGインベントリ」

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審査講評)国内の大学に先駆け、7 種類の温室効果ガスGHG(CO2、CH4、N2O、HFCs、PFCs、SF6、NF3)を対象に、北海道大学の全拠点・活動を網羅する包括的なインベントリ(温室効果ガス排出・吸収目録)を策定する取組である。他大学でも研究的に検討がされ始めているが、大学マネジメント部門と連携して、学内の全拠点・全活動を対象に、国際基準に準拠した信頼性の高いデータベースを構築し、包括的で信頼性を高める精緻化を図っていることは、学術的にも高く評価できる。北海道大学内に留まらず、他大学や企業にも適用可能な内容であり、社会への波及効果も大いに期待でき、サステイナブルキャンパス賞に相応しい取り組みである。今後は、計画立案・アクション実行フェーズでの効果検証・改善方法などの具体的成果を大いに期待したい。

 

大学運営・地域連携部門

奨励賞

国立大学法人 静岡大学

「連携を加速するカーボンニュートラル推進体制の構築と展開」

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審査講評)大学のカーボンニュートラル目標を明確化し、学長を中心にカーボンニュートラル推進体制を体系的に構築して、活動を始めている。特に、学際的連携によるカーボンニュートラル宣言およびアクションプランを公表したこと、カーボンニュートラル特別教育プログラムの実施によって、すべての学生が自分の専攻と並行して受講できる仕組みを構築したことなどは、高く評価できる。地域社会研究所,エコロジーラボ,モノコトづくり研究所などの領域間の連携・協働も素晴らしいが、多様な活動の全容とそれらの個々の位置づけを明確化して説明してもらえると、よりわかりやすかったのではないだろうか。今後の活動の深化と取組み効果の自己評価が期待される。

 

学生活動部門

サステイナブルキャンパス賞

千葉大学環境ISO学生委員会

「楽しむだけで終わらないワークショップ ~学童クラブに対する新たな取り組み~」

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審査講評)小学校での子どもたちへの環境教育は多くの大学で行っているものの、地域とのつながりが深い学童クラブでの環境教育は、大変貴重な事例となる。プログラムは、SDGsを題材とした海洋ゴミやフードロスを題材とする紙芝居講義、古着バッグやペットボトル工作などの体験型ワークと構成されており、子どもたちが楽しみながらリユースや資源循環の重要性を体験できる内容となっている。2024年度は14校約500名、2025年度は15校約310名が参加し、子どもの学びを通じて家庭や地域に広がっている。企画した学生たちのコミュニケーション力や教育力の向上にもつながり、持続可能な社会づくりに貢献できるWin -Winの好循環を示していて、サステイナブルキャンパス賞に相応しい取り組みである。

 

学生活動部門

奨励賞

国立大学法人 岩手大学

「岩手大学環境マネジメント学生委員会と学内外のステークホルダー(関係団体)との連携・協働(パートナーシップ)による岩手地域での環境配慮活動」

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審査講評)企業にとどまらず,他大学・行政・NPO などのパートナーシップにより,ソーラーミニカーや紙芝居,つめかえパックのリサイクルなど,多様な活動を展開しており,高く評価できる。何よりも,学生の環境活動団体として18 年継続している点は意義深く,称賛に値する。岩手県内の高校生への出前授業、イベントでのエコブース運営なども行っており、地元メデイアとの連携によって、動画制作とSNS(YouTube、X、Instagram)で公開されており、環境と経済、社会の調和の取れた持続可能な開発目標(SDGs)の活動として広く知られている。一方で、新たな活動展開だけでなく,継承あるいは消滅した活動に対する言及があれば,有用な情報提供になったと考えられる。

 

学生活動部門

ニューカマー賞

創価大学 経営学部 野村ゼミ
「キャンパス発 サーキュラーエコノミーの実現とカーボンニュートラルへの道」

創価大学 蝶名林俊ゼミ
「創価大学における学生の環境配慮行動を促進する施策」

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審査講評)【野村ゼミ】衣類・食品・紙の3分野に焦点を絞り、学生が主体となってサーキュラーエコノミーへの転換に挑戦している点が特徴的で,有意義であり,わかりやすい。とりわけ,衣料ロスに取り組み,回収のみならずエコTシャツを作成する活動が興味深い。今後は,教育効果にとどまらず,学生が主体となったさらなる活動へと展開してほしい。【蝶名林ゼミ】プラスチックごみの排出削減にテーマを絞り,分別促進やカトラリー使用の抑制など,きちんと調査しながら方策を講じている点が好ましい。特に,定量的な調査・分析を経て施策を検証している点が評価できる。今後は,ゼミ活動にとどまらず,学生が主体となったさらなる展開が望まれる。

 

表彰式の後、サステイナブルキャンパス賞と奨励賞の事例紹介のプレゼンがありました。

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その後、会場全員からの投票によって、「特別賞」が選出されました。

サステイナブルキャンパス賞2025

特別賞

千葉大学環境ISO学生委員会

「楽しむだけで終わらないワークショップ ~学童クラブに対する新たな取り組み~」

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受賞された皆さま、おめでとうございます!!

 

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2025 / 11 / 10
15:42

年次大会2025 大盛況で終了しました。

本年度も無事に年次大会が終了いたしました。

100名を超える参加者の方が、雪の降る北海道に集まり、知と実践の交流があり、親睦を深めました。

CAS-Net JAPAN 2025年次大会 ~サステイナブルキャンパスがつなぐ知と実践~

11月7日(金)~11月8日(土)@北海道大学 札幌キャンパス

ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。

運営してくださいました北海道大学の関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。

来年は名古屋大学での開催となります。どうぞよろしくお願いいたします。

pdf 実施報告書はこちら (2.53MB)

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