お知らせ Information
サステイナブルキャンパス賞2025 受賞者の発表!!
CAS-Net JAPAN 2025年次大会 ~サステイナブルキャンパスがつなぐ知と実践~(11月7日(金)~11月8日(土)@北海道大学 札幌キャンパス)において、サステイナブルキャンパス賞の表彰式と受賞事例講演が行われました。
建築・設備部門
サステイナブルキャンパス賞
学校法人 立命館大学
「立命館大学 大阪いばらきキャンパス H棟」
審査講評)立命館大学大阪茨木キャンパスは、2015 年の竣工時点から地域・社会に開かれた新たな都市型キャンパスとして高い評価を受けてきた。その10 年後となる今年、デジタル技術とメデイア表現を活用する新学部の開設に伴って、新たな活動を支えるサスティナブルな教育研究環境を実現させている。具体的には、建物内部にパブリック空間および階段状の吹抜空間を形成して学生同士のコミュニケ―ション促進や、多様な人々との交流が期待できる共創拠点を生み出した。また、眺望と日射遮蔽、自然採光のベストバランス図った環境建築を具現化するとともに、リアルタイム環境計測と利用者数データにもとづく最適制御を導入して、最先端のエネルギー最小化技術の実装にも取り組んでいる。BELS 認証の取得に伴う1次エネルギー消費量44%削減(レベル5)、キャンパス全体のエネルギー最適化を実現する成果をあげていて、今後さらなる発展的展開が期待でき、サステイナブルキャンパス賞に相応しい取り組みである。
建築・設備部門
奨励賞
国立大学法人 千葉大学/株式会社 佐藤総合計画/丘の上事務所株式会社/株式会社dpランドスケープ/株式会社テクノ工営
「千葉大学 工学・情報学系講義棟」
審査講評)1960年代に整備された並行配置の校舎群の間に、新講義棟を挿入して老朽化した校舎を再編する計画である。大学の講義室、ギャラリー、ホール、ラウンジ、通路を立体的・有機的につなぎ、各スペースや部屋・空間の連携を図って建物の魅力を創出している。ただ,建築の空間構成に加えて,テラスコモンズ・ホワイエコモンズ・エキシビジョンギャラリーなどの学生の居場所が,実際どのように活用されているか,その説明があれば一層の説得力があったと考えられる。環境配慮としては、建物屋根に降った雨水の流出経路をデザインするとともに、その雨どいを日射遮蔽ならびに外観デザインに活かしている点が評価できる。建物環境性能としてはZEB Readyを達成しており、国立大学系の施設ながら、完成度の高い建物として仕上げられている。
大学運営・地域連携部門
サステイナブルキャンパス賞
国立大学法人 北海道大学
「北海道大学GHGインベントリ」
審査講評)国内の大学に先駆け、7 種類の温室効果ガスGHG(CO2、CH4、N2O、HFCs、PFCs、SF6、NF3)を対象に、北海道大学の全拠点・活動を網羅する包括的なインベントリ(温室効果ガス排出・吸収目録)を策定する取組である。他大学でも研究的に検討がされ始めているが、大学マネジメント部門と連携して、学内の全拠点・全活動を対象に、国際基準に準拠した信頼性の高いデータベースを構築し、包括的で信頼性を高める精緻化を図っていることは、学術的にも高く評価できる。北海道大学内に留まらず、他大学や企業にも適用可能な内容であり、社会への波及効果も大いに期待でき、サステイナブルキャンパス賞に相応しい取り組みである。今後は、計画立案・アクション実行フェーズでの効果検証・改善方法などの具体的成果を大いに期待したい。
大学運営・地域連携部門
奨励賞
国立大学法人 静岡大学
「連携を加速するカーボンニュートラル推進体制の構築と展開」
審査講評)大学のカーボンニュートラル目標を明確化し、学長を中心にカーボンニュートラル推進体制を体系的に構築して、活動を始めている。特に、学際的連携によるカーボンニュートラル宣言およびアクションプランを公表したこと、カーボンニュートラル特別教育プログラムの実施によって、すべての学生が自分の専攻と並行して受講できる仕組みを構築したことなどは、高く評価できる。地域社会研究所,エコロジーラボ,モノコトづくり研究所などの領域間の連携・協働も素晴らしいが、多様な活動の全容とそれらの個々の位置づけを明確化して説明してもらえると、よりわかりやすかったのではないだろうか。今後の活動の深化と取組み効果の自己評価が期待される。
学生活動部門
サステイナブルキャンパス賞
千葉大学環境ISO学生委員会
「楽しむだけで終わらないワークショップ ~学童クラブに対する新たな取り組み~」
審査講評)小学校での子どもたちへの環境教育は多くの大学で行っているものの、地域とのつながりが深い学童クラブでの環境教育は、大変貴重な事例となる。プログラムは、SDGsを題材とした海洋ゴミやフードロスを題材とする紙芝居講義、古着バッグやペットボトル工作などの体験型ワークと構成されており、子どもたちが楽しみながらリユースや資源循環の重要性を体験できる内容となっている。2024年度は14校約500名、2025年度は15校約310名が参加し、子どもの学びを通じて家庭や地域に広がっている。企画した学生たちのコミュニケーション力や教育力の向上にもつながり、持続可能な社会づくりに貢献できるWin -Winの好循環を示していて、サステイナブルキャンパス賞に相応しい取り組みである。
学生活動部門
奨励賞
国立大学法人 岩手大学
「岩手大学環境マネジメント学生委員会と学内外のステークホルダー(関係団体)との連携・協働(パートナーシップ)による岩手地域での環境配慮活動」
審査講評)企業にとどまらず,他大学・行政・NPO などのパートナーシップにより,ソーラーミニカーや紙芝居,つめかえパックのリサイクルなど,多様な活動を展開しており,高く評価できる。何よりも,学生の環境活動団体として18 年継続している点は意義深く,称賛に値する。岩手県内の高校生への出前授業、イベントでのエコブース運営なども行っており、地元メデイアとの連携によって、動画制作とSNS(YouTube、X、Instagram)で公開されており、環境と経済、社会の調和の取れた持続可能な開発目標(SDGs)の活動として広く知られている。一方で、新たな活動展開だけでなく,継承あるいは消滅した活動に対する言及があれば,有用な情報提供になったと考えられる。
学生活動部門
ニューカマー賞
創価大学 経営学部 野村ゼミ
「キャンパス発 サーキュラーエコノミーの実現とカーボンニュートラルへの道」
創価大学 蝶名林俊ゼミ
「創価大学における学生の環境配慮行動を促進する施策」
審査講評)【野村ゼミ】衣類・食品・紙の3分野に焦点を絞り、学生が主体となってサーキュラーエコノミーへの転換に挑戦している点が特徴的で,有意義であり,わかりやすい。とりわけ,衣料ロスに取り組み,回収のみならずエコTシャツを作成する活動が興味深い。今後は,教育効果にとどまらず,学生が主体となったさらなる活動へと展開してほしい。【蝶名林ゼミ】プラスチックごみの排出削減にテーマを絞り,分別促進やカトラリー使用の抑制など,きちんと調査しながら方策を講じている点が好ましい。特に,定量的な調査・分析を経て施策を検証している点が評価できる。今後は,ゼミ活動にとどまらず,学生が主体となったさらなる展開が望まれる。
表彰式の後、サステイナブルキャンパス賞と奨励賞の事例紹介のプレゼンがありました。
その後、会場全員からの投票によって、「特別賞」が選出されました。
サステイナブルキャンパス賞2025
特別賞
千葉大学環境ISO学生委員会
「楽しむだけで終わらないワークショップ ~学童クラブに対する新たな取り組み~」
受賞された皆さま、おめでとうございます!!









